The 25th Annual Meeting of the Japa Society for Portal Hypertension

企画趣旨

シンポジウム1  肝類洞の線維化と微小循環障害-門亢症の源流を探る-

司会: 竹井 謙之(三重大学)・河田 則文(大阪市立大学)

門脈圧亢進症として臨床的に顕在化する病態には源流として肝類洞に集簇する細胞群の形態並びに機能変動が存在する。病態下に刺激された肝細胞—類洞壁細胞、類洞壁細胞間、類洞壁細胞—浸潤炎症細胞の間で織りなされる多彩な情報クロストークが肝線維化と微小循環障害を惹起する。本シンポジウムでは、門脈圧亢進症をもたらす病態の上流を辿り、肝類洞を主場とする分子細胞社会学から門脈圧亢進症の成因を議論してみたい。

シンポジウム2 肝微小環境と免疫-門脈圧亢進症や肝発がんの基盤となる肝線維化・肝硬変に迫る-

司会: 考藤 達哉(国立国際医療研究センター)・日浅 陽一(愛媛大学)

門脈血行動態の劇的な変化をもたらす肝硬変は、持続する肝臓の炎症がDriving forceとなり肝線維蓄積と細胞構築の改変が進行して成立し、肝癌の発生母地となる。この過程には、肝細胞、非実質細胞、免疫細胞、血管系細胞によって構成される肝微小環境の変化が深く関与している。肝炎ウイルスの排除と肝炎の鎮静化によって、肝線維化は改善しうることが明らかになったが、門脈圧亢進症は必ずしも回復しない。肝硬変患者の生命予後に直結する門脈圧亢進症の原因治療を目指すためには、肝硬変と門脈圧亢進症における肝微小環境の理解が必要である。
本シンポジウムでは、肝線維化・肝硬変と門脈圧亢進症の病態や肝癌との連関の解明を目指す研究成果をご発表いただき、門脈圧亢進症の理解に新たな視点を与えるものとしたい。

シンポジウム3  門亢症の包括的マネージメント

司会: 坂井田 功(山口大学)・吉治 仁志(奈良県立医科大学)

門亢症の多くを占める肝硬変治療は新薬が相次いで認可されており、パラダイムシフトとも言える変化を遂げている。薬物治療に加えて、内視鏡治療、IVR、外科的治療、および再生医療も新しい技術の臨床応用が進んでいる。非硬変性門亢症と共に、消化管出血、肝性脳症、難治性胸腹水、サルコペニア、門脈血栓、出血傾向、線維化進展、栄養改善、筋痙攣、掻痒感、肝発癌、など多くの病態をマネージメントすることが臨床医に求められている。本セッションでは、門亢症診療に関する様々な課題・研究成果を基礎・臨床の両面から発表いただき、患者のQOL改善を含めた未来に繋がる「門亢症の包括的マネージメント」について議論していきたい。

パネルディスカッション1 門脈圧亢進症の画像診断の進歩と臨床への展開

司会: 今井 康陽(市立池田病院)・飯島 尋子(兵庫医科大学)

門脈圧亢進症の原因は肝硬変が最も多いが特発性門脈圧亢進症、Budd-Chiari症候群なども一因である。さらに病態や形態、画像所見は原因によっても多種多様である。肝硬変の血行動態は、門脈圧は上昇し腹部血管の血流量が増大、いわゆるhyperdynamic circulationの病態を示す。形態学的には線維化が進行し肝硬度や脾硬度が上昇すると言われている。これらの画像診断情報は肝予備能や予後、食道胃静脈瘤診断、発癌リスクとも関係する。また造影CTや造影エコーなどにより血流障害時におこる肝臓染影の相違により診断へ導くことも可能である。本セッションでは門脈圧亢進症の画像診断が各種病態解明さらには治療評価に迫れるか、門脈圧亢進症の病態、血行動態に基づいたCT,MRI,US画像の最新情報について討議したい

パネルディスカッション2 IVRの進歩がどのように門脈圧亢進症の治療を変えたのか?

司会: 國分 茂博(新百合丘病院)・山門亨一郎(兵庫医科大学)

門脈圧亢進症に対するIVRの手技は、血管を詰める(塞栓術)、拡げる(拡張術、ステント)、新たなシャントを形成する(TIPS)である。
塞栓術は、脾機能亢進症に対する部分脾塞栓術やAPシャントに対する肝動脈塞栓術といった動脈塞栓術と、胃食道静脈瘤や異所性静脈瘤に対するPTOや胃静脈瘤に対するBRTO,この二つを合わせたDBOEといった門脈系の塞栓術がある。
拡張術は門脈本幹の悪性腫瘍による狭窄やBudd-Chiari症候群の下大静脈や肝静脈狭窄に対して行われる。肝移植後の肝静脈のねじれに対してもステントを用いた拡張術は有効である。
門脈と大循環系にシャントを形成するTIPSは難治性門脈圧亢進症に対する根本治療である。
上記の如く多くのIVRが開発され門脈圧亢進症の治療に寄与してきた。近年、プラグやマイクロバルーンといった新たなdeviceも登場し、新たな工夫や技術の改良が行われている。
本セッションでは、主題「IVRの進歩がどのように門脈圧亢進症の治療を変えたのか?」をエキスパートの演者の先生方とともに掘り下げていきたい。

パネルディスカッション3 門脈血栓症の病態と治療の進歩

司会: 川中 博文(国立病院別府医療センター)・日高  央(北里大学)

門脈血栓症は肝硬変症患者の10%前後に合併すると言われており、治療介入により生命予後の改善が見込まれる。昨年、アンチトロンビン製剤の門脈血栓症に対する保険認可が得られたものの、まだ確立された治療法が存在しない状況にある。本セッションにおいては、各施設から病態把握の方法(血清学的診断や画像診断)、並びに単独療法(ワルファリン、低分子ヘパリン、ヘパリノイド、アンチトロンビン製剤およびDOAC等々)ないしは併用療法に関する御発表を頂き、ディスカッションを行えれば幸いである。

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